子育てが大変で退職する理由とは

職場の理解が少ない

女性の働き方改革が声高にいわれており、2006年には次世代育成支援対策推進法も制定されて、従業員の子育て支援を国も後押しする環境が整いつつあります。にもかかわらず、出産退職する女性は増加傾向にあります。
なぜこうなるかというと、その理由の1つは職場の理解がないからといえます。

出産退職する女性が増えているのですから、小さな子供を育てながら働くという困難さはそれ以上のものがあるでしょう。
子育てには親の大変な労力が必要です。
そのためには父親である男性の協力も不可欠です。

しかしながら我が国の企業風土では、男性が育児のために休暇を取ることや早退することは認知されていません。
男性だけでなく母親である女性でも育児のために勤務時間を短縮したりすると、仕事に支障が出るという理由で職場に居づらくなる傾向があるのです。

少子化は我が国の将来にとっての不安要因ですが、それを払拭するためにも働きながら子育てができる職場環境、職場意識を改める必要があるでしょう。

非正規雇用が増えている

子育てのために退職せざるを得ない理由のもう1つは、女性の非正規雇用が多いという点です。
非正規雇用は雇われる側にとって非常に不利な立場に立たされます。
正規雇用の女性でさえ出産退職や子育て退職が増えているのですから、立場の弱い非正規雇用の女性は言うまでもありません。

法的には非正規雇用の派遣社員でも育休を取得できます。
しかし、実際には育休を取ったあとの復職は難しいのが現状です。
非正規雇用の女性に対するサポートをしっかりと整えて、仕事と育児が両立できるような環境整備をしない限り、子育てが大変で退職する女性は今後も増えるでしょう。

子育て理由で退職する場合の対処法

一生に一度しか体験できない子育てを楽しむ

妊娠と出産は女性だけが経験できる特権です。
しかし仕事をしたい女性にとって、出産退職や子育て退職は簡単に容認できない不条理でしょう。
会社側と交渉し、職場環境の改善を訴えることは必要です。

もう1つの考え方として、自分の時間を全て子育てに充てるという選択もあります。
子供は1歳になると動き回って目が離せなくなります。それは仕事に復帰する時期と重なります。
子供が小学校へ入学するまでの数年間は一生に一度しか体験できない子育ての期間です。
仕事への未練を吹っ切って、子育てを楽しむという方法も意味があるのではないでしょうか。

妻が働き、夫が子育てする

夫婦共働きが当たり前の社会ですが、妻が妊娠して出産すると子育てのために退職するケースがほとんどです。
最近は夫も育休を取れるように制度化されていますが、日本の企業では、ほとんど実現不可能でしょう。
もしも男性が育休を取れば、その会社での将来性は消えるかもしれません。

思い切って発想の転換をしてみてはいかがでしょう。
出産後も女性が仕事を続けて、男性が退職して子育てに専念するのです。
世間では育児は女性、仕事は男性という固定観念がまかり通っています。
でも男性の中には、競争社会でもまれるより家庭で育児をしていたいという考えの人もいるでしょう。
もし夫がそのようなタイプなら、男女で役割を交換する方が自然です。

固定観念にとらわれないで子育てする方法を夫婦で話し合ってみるのはいかがしょう。

子育て理由の退職は失業給付金に気をつけよう

退職すると失業給付金がもらえると勘違いしている人が多いですが、働く意思がある場合に限られます。
つまり育児に専念するために退職する場合は、失業給付金は1年以内の給付となるのです。
さらに給付金をもらう場合は、指定された認定日ごとにハローワークへ行って失業の認定を受ける必要があります。
その時にお子さんを同伴することは認められていないので、預けることになります。

育児が理由で退職する場合は、正社員として復職するのは無理なので、育児と仕事が両立できる職場を探すという理由で退職するのがおすすめです。
働く意欲があると認められると失業給付金の受給資格が得られます。